3、ポリエステル樹脂塗装

塗料全体が塗膜を形成するので非常に厚い塗膜が一回塗で得られます。
塗膜が内部から硬化していくので塗膜が厚いほど良い硬化が得られます。硬く艶のある仕上がりになりますので、ピアノ・高級なリビングボード・キャビネットなどに良く塗られています。摩擦に強く、耐薬品性・耐水性・耐湯性などに優れていますが、反面柔軟性に欠け、強い衝撃に弱く傷がつきやすいことや、ほこりを呼び寄せるという難点があります。特殊塗装のため、修理は非常に困難です。





(1)<ピアノ鏡面加工塗装>
「ピアノ鏡面塗装」は「鏡面仕上げ」や「ピアノ塗装」という名前でなじみがあるかと思います。本物の鏡さながらの“映り込み”が決め手の塗装方法です。通常の「つや有り仕上げ」とは異なり、ポリエステル塗装を施したあとにおよそ2週間にも及ぶ時間と塗装、特殊研磨の技の積み重ねにより、素晴らしいつやと光沢を出します。木目の美しさと深みのある輝きを放つその塗装を施した家具は、もはや工芸品とも呼べるものです。お部屋の空間を引き締め、高級感が増しますので、大切なお客様を招く応接室などに、鏡面塗装の家具はぴったりです。





(2)<流し込み塗装>
型や囲いの中に樹脂塗料を流し込み、そのまま固めてテーブルの天板などにする塗装方法で、木製テーブルの上にガラスの天板が載っているようなイメージになります。ガラスとは違うしっとりとした質感で、下に置く木になじみつつ、その趣や重厚感を引き出すことができます。塗料をスプレーで吹き付ける方法では、厚みはせいぜい1mm程度にしかなりませんが、流し込み塗装は、流し込んだ分がそのままその厚みとなります。大量の塗料を使用するためにとても高額になりますが、デザイン性を求めるテーブルなどには欠かせない塗装方法として人気があります。例えば表面がボコボコとした流木の上に流し込み塗装をし、表面を平らにしてカウンターテーブルにしたり、古木のテーブル上に絵画などを置き、その上に流し込み塗装をして、塗膜の天板から中に埋め込まれた絵画が見えるようにする加工なども出来ます。高級飲食店のカウンターや、店主こだわりのテーブルを作りたいなどというご依頼が多いです。塗装後、平らにして上塗りをしますが、ご希望によっては更に磨きをかけて、より高級感を出すことも可能です。